睡眠薬を必要とするケース

睡眠障害には、体の痛みや痒みの症状によって起こるもの、うつ病などの心理的な要因によって起こるもの、飲んでいる薬など薬物性の要因で起こるもの、カフェインなど刺激物の摂取によるもの、などがあります。
体の痛みや痒みによる睡眠障害は、その症状が改善すれば眠れるようになる可能性が高いです。体の痛みには、ボルタレンやセレコックスなどの痛み止めで対処しましょう。また、薬物性や刺激物の摂取は、代用できる薬に変えたり、刺激物の摂取を控えることで睡眠障害の症状が改善される可能性もあります。
うつ病など心理的な要因によるものは、睡眠薬が必要になるケースが多いです。精神疾患ではストレスや不安で眠れないことで心身が疲弊し、さらに精神疾患の症状が重くなってしまう危険性があるからです。逆に言えば、睡眠薬を飲んで頭がすっきりした状態になれば、思考回路が整い、気持ちの上で症状が改善していくこともあります。
「睡眠薬は習慣性があるので、依存症になりやすい」と言われることがありますが、そのようなケースはほとんどありません。特にうつ病のような症状では、不眠を改善させることが重要になることもあります。
うつ病治療の一環として使う場合、不眠を軽減するための対処療法の薬と捉えておきましょう。あくまでうつ病が背景にあり、その一つの症状として不眠があらわれるという事です。なので、根本的にはうつ病を治療しないことには、不眠の解消は難しいです。うつ病では心身をゆっくり休めることが何よりも大切ですから、そのために利用するという使い方です。
睡眠薬の薬理機序は、抗不安薬のそれとほぼ同じと考えて良いです。具体的には、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の種類があります。
一般的には以下のように効果持続時間によって使い分けます。6時間の超短時間作用型、6〜12時間の短時間作用型、12〜24時間の中時間作用型、数日間の長時間作用型、です。一般的な不眠に使われるのは6時間の超短時間作用型か6〜12時間の短時間作用型です。ただし、不眠の症状が重い場合には、12〜24時間の中時間作用型が使われることもあります。
抗不安薬との違いは、不安を鎮める作用はそれほど高くないところです。それよりも睡眠導入作用を発揮します。
非ベンゾジアゼピン系の薬は、ベンゾジアゼピン系の薬に比べるとよりマイルドに効くので、副作用や依存性が気になる人に向いています。
以上のように、睡眠薬の効果が活かされやすいのは、うつ病など精神疾患によるものです。脳に休息を与えることにより、精神的な負担を軽減することが期待できます。